うつ病退職は「逃げ」ではない!辞めても生活できる「支援制度」と退職手順

うつ病退職は「逃げ」ではない!辞めても生活できる「支援制度」と退職手順

仕事がつらく、「もう辞めたい」と感じてしまう自分を責めていませんか。

しかし、その感情は決して甘えや逃げではありません。

うつ病は気合いや根性で乗り越えられるものではなく、心と体が限界を訴えているサインです。

真面目で責任感が強い人ほど無理を重ね、症状を悪化させてしまう傾向があります。

本記事では、うつ病で退職を考えたときに役立つ支援制度と、安心して進めるための手順を解説します。

目次

うつ病で「仕事を辞めたい」は甘えではない。心身を守るための正しい対処法

上司に怒られ頭を抱える部下

「うつ病で仕事を辞めたいと思うのは、自分が弱いからではないか」と悩む必要はありません。

厚生労働省の調査によると、過去1年間にメンタルヘルス不調を理由に1か月以上休業、または退職した労働者がいた事業所は12.8%と全体の1割を超えています(参照:令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)|厚生労働省)。

心の不調による離職は、決して珍しいことではないのです。

うつ病は性格の問題ではなく、環境やストレスが積み重なって発症する病気といえます。

無理を続ければ回復までに長い時間がかかるため、「環境を変える」という選択は心身を守る正しい判断です。

 辞める決断をする前に。今すぐできる3つのステップ

頭を抱える女性

退職を考えたとき、勢いだけで決断してしまうと不安が大きくなりがちです。大切なのは、今のつらい環境から一度距離を取り、心身を守る行動を優先することです。

ここでは、最悪の事態を防ぐために今すぐできる3つのステップを紹介します。

信頼できる相手や専門窓口に「相談する」

うつ病において最も避けるべきなのは、誰にも頼らず一人で抱え込むことです。

信頼できる家族や友人、あるいは公的な相談窓口に気持ちを打ち明けるだけでも、心の負担は軽くなります。
つらさを言葉にすることで、自分では気づけなかった選択肢が見えてくることもあります。

身近な人に話しづらい場合は、以下のような公的な相談窓口を活用してください。匿名で相談でき、24時間対応やSNSでの相談を受け付けているところもあります。

相談窓口特徴
こころの耳(厚生労働省)働く人のためのメンタルヘルス相談窓口(電話・メール・SNS)
よりそいホットライン24時間通話無料。電話、チャット、SNSなどで相談可能
まもろうよ こころ(厚生労働省)電話やSNSの相談窓口一覧を紹介

    専門医の診察を受け「診断書」をもらう

    仕事が苦しくて「もう限界だ」と感じているなら、まずは心療内科や精神科を受診し、医師の診断を受けてください
    休養が必要と判断された場合は、迷わず「診断書」を発行してもらいましょう。

    診断書は、今のつらさが甘えではなく、医学的に治療を要する状態であることを証明する大切な書類です。診断書があることで、会社に対して休職や業務調整を求める際の強力な根拠になります。

    労働契約法により、企業には従業員の健康を守る「安全配慮義務」が定められています。医師の診断があれば、会社側も無視することはできず、適切な配慮を行う責任が生じます。

    「まだ働ける」と無理を重ねず、自分を守るために専門家の力を借りることは、決して恥ずかしいことではありません。

    退職ではなく「休職」を選択する

    「辞めるか、耐えるか」の二択で考える必要はありません。

    会社に休職制度があれば、雇用関係を維持したまま治療に専念できます。休職中は傷病手当金を受給できる可能性もあり、生活費の不安を軽減できます。

    まずは十分に休み、回復してから復職するか退職するかを判断しても遅くはありません。

    今は働き続けることよりも、安心して休む時間を確保することが最優先です。

    お金の不安を減らす。退職前・退職後に使える「4つの制度」

    家計管理に悩む女性

    退職や休職をためらう最大の理由が、お金の不安です。

    しかし、働けない期間の生活を支える制度は複数用意されています。

    事前に知っておくだけで、「収入が途絶える恐怖」は大きく和らぎます。ここでは代表的な4つの制度を紹介します。

    最長1年6ヶ月受給。「傷病手当金」で生活費を確保する

     傷病手当金は、病気やけがで働けなくなった会社員が受給できる制度です。

    支給額は標準報酬月額のおよそ3分の2で、最長1年6ヶ月間受給できます。

    最大のポイントは、在職中に条件を満たしていれば、退職後も継続して受給できる点です。

    ただし、退職日までに連続して3日以上休んでいることや、退職日に出勤しないことなど、満たすべき条件があります。

    自己判断で退職日を決める前に、必ず確認しておきましょう。これは正当な権利であり、遠慮する必要はありません。

    働ける状態になったら。「失業保険(基本手当)」を活用する

    病状が回復し、就職活動が可能になった段階で利用するのが失業保険です。

    病気療養中は原則として受給できませんが、退職理由が病気の場合、「受給期間延長」の手続きを行えば、最長4年まで受給権を保留できます。

    制度を利用すれば、治療に専念したあと、改めて失業保険を受け取りながら再就職活動が可能になります。

    退職後は、早めにハローワークで延長申請を行うことが重要です。

    通院費が1割負担に。「自立支援医療(精神通院医療)」

    自立支援医療(精神通院医療)は、精神科や心療内科への通院費や薬代の自己負担を原則1割に抑えられる制度です。

    うつ病治療は長期化しやすく、医療費の負担が重くなりがちですが、この制度を利用すれば安心して通院を続けられます。

    所得に応じた自己負担上限額も設定されるため、経済的な負担軽減に大きく役立ちます。

    意外と知らない。「税金・年金・保険料」の減免申請

    退職後、収入が減少した場合は、住民税や国民年金、国民健康保険料の減免や猶予を申請できます。

    前年所得を基に請求されるため、無収入の時期には大きな負担になりがちです。支払いが難しい場合は放置せず、必ず自治体の窓口で相談してください。

    滞納を防ぎ、将来の不利益を避けるためにも重要な手続きです。

    まずは療養を最優先に。焦らず「自分に合った働き方」を選べばいい

    療養しようか悩む女性

    退職後、多くの人が将来への不安から焦ってしまいます。しかし、心身が回復していない状態で次の行動を考えても、良い判断はできません。

    今は何もしない時間を自分に許し、十分に休むことが大切です。

    回復後は、短時間勤務、在宅ワーク、障害者雇用枠など、無理のない働き方を選べば問題ありません。

    元の働き方に戻る必要はなく、今の自分に合った道を探していきましょう

    まとめ:あなたの人生を守れるのは、あなただけ

    本記事で紹介したように、休職制度や傷病手当金、自立支援医療などの公的制度を正しく活用すれば、退職後の生活は「想像しているほど不安定」ではありません。

    問題なのは、制度を知らないまま一人で抱え込み、限界まで耐えてしまうことです。

    うつ病で退職することは、決して「逃げ」ではありません。これ以上自分を追い詰めないための、冷静で誠実な選択です。

    仕事や会社よりも、あなた自身の命と人生のほうが、何よりも大切です。

    もし今、

    • 退職すべきかどうか決断できない
    • お金や手続きの不安で動けなくなっている
    • 一人で判断することに限界を感じている

    このような状態であれば、第三者の視点を借りることも立派な行動です。

    いきなり転職を決める必要はありません。今の状況を整理し、「今は休む」「将来どう働くか」を一緒に考えるところから始められます。

    一人で抱え込まず、使えるサービスや支援を使いながら、自分を守る行動を取りましょう

    あなたの人生を立て直す一歩は、今日この瞬間から踏み出すことができます。

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